プロレス技「ケンカキック」は
実戦の喧嘩には使えない。
空手の格言として
「実戦では帯より上を蹴るな」
という言葉があるが、その通りなのだ。*
ミドルキックやハイキックなどの上中段蹴りは
蹴り足をキャッチされ、倒されやすい。
「K-1や総合格闘技ではハイキックが通用してるではないか」
という意見があるだろうが、
アレはブレイクありのルールに守られての事。
実戦では1回でも上を取られると命取りになり、
グレイシー柔術で言われる
必勝パターンにさせられちまう。*
だから、ケンカキックのような
上段前蹴りはまず出さん方がイイのだ。
ブルースリーも、自らの提唱した
格闘技「ジークンドー」では
映画での派手なハイキックとは
対象的に、ローキックを主体とした
実戦的な格闘を教えていたという。
フランス外国人部隊や自衛隊をはじめとした
各国の徒手格闘術でも、
「腰より上は蹴るな」
というのが鉄則とされている。*
だから、ローキック禁止
の格闘技「テコンドー」の選手は、
ちょっとローを練習した方がイイぞ。*
派手なミルコのハイキックや
アンディ・フグのカカト落としよりも
セコいローキックで敵を崩そう。
…ちなみに、前述の『ケンカキック』は
以前「ヤクザキック」と言われていたが、
「ヤクザ」が放送禁止用語と
判断され改名された。*
また、ヤクザキックの名づけ親は
今は亡き橋本真也。
「かかと入れてあんなのヤクザキックや!!」
と吐き捨てた事が由来。*
アメリカではマフィアキックと紹介されている。*
また、類似の技とされる「長渕キック」は
ケンカキックとほぼ同じモーションだが、
「蹴った後の軸足が上がってしまう」
という面で、別の技とするのが妥当とされる。*