殴った俺の心の方が痛いんだ!
という言葉は大ウソだが、
殴った拳がヘシ折れるのは実は結構ある。
そう、拳は脆い。
例えば殴りあう機会が少ない
野球選手でも↓の例がある。
○阪神60年代のエース・バッキー。
巨人の王にビーンボールを連発し
自分が撒いた乱闘で
巨人の荒川打撃コーチにストレートパンチ。
その時、「バッキー」と右親指を複雑骨折し、
選手生命に自ら幕を閉じてしまう。*
○巨人のグラッデン、ヤクルト西川が投げた
顔面付近のボールに大激怒。
腹いせに中西捕手に殴り倒すも、
代償として両手骨折。*
○ソフトバンクの杉内。
ロッテ戦で2回7失点という
自らの不甲斐なさにベンチを殴る、殴る。
城島の「利き手はやめろ!」との声もむなしく
両手の小指を骨折。シーズンを棒に振る。*
など。
そして、パンチを繰り出す機会が格段に多い
格闘家になると、その例は一気に増える。
あの王者ヒョードルも
PRIDE移籍以降ですでに
現在と2003年の暮れの2度拳を骨折し、
「ガラスの拳」
と言われた。*
また、マイク・タイソンが素人の頭を
素手で殴った際、己の拳が先に破壊したのは有名だ。*
辰吉丈一郎も世紀の決戦と言われた
薬師寺戦の1Rで左手を骨折し、
右手だけで奮闘するも
1-2の判定負けに敗れ去った。*
その他山本KID、エンセン井上、小川直也、
ゲーリーグッドリッジ、高橋義生、ステファン・レコ、
それ位に拳は脆い。
それを保護するにはどうするかだが、
まず拳の形を整える事だ。↓
1、親指以外の拳を平らに並べる。
2、残った親指で人差し指と中指の上から押さえる*
これでOK。
また、親指を中に入れて殴っては絶対にいけないようだ。
なので、ジャンプの漫画
「真島くんすっとぱす!」
であった「鉄菱」という親指を
人差し指と中指で握って殴るパンチは、
まず出さない方が良さそうだ。*
また、出来ればグローブの着用も有効だ。
グローブとは元々
「相手へのダメージを軽減する」
というモノでは無く、自らの拳を
ガードするためにあるのだ。*
ボクシングでも、素手の拳で殴りあう時代は
拳を痛めないために序盤は
拳や手首を傷めないように用心しながら、
徐々にペースを上げる試合展開だった。*
それ程、拳は大切に扱うべきワレモノなのだ。
例えば、古代五輪の時代から
牛革のベルトで拳を覆ったボクサーの姿が
彫刻に残されていたり。*
今に近いグローブも1740年ごろ貴族の
ボクシング練習用として生まれてる。*
グローブをつけた際は多少パンチの破壊力が弱まるが、
練習の際などは厚いグローブを着けて拳をガードしよう。
(失った威力は、猪木戦でアリが使った策
「グローブの下の拳を石膏で固める」で補おう。
その拳は、かすっただけで異常なコブができたとか)*
また、バンテージも忘れず巻こう。
ボクサーは練習でも試合でも
欠かさず巻いているが、
それ程に欠かせないものなのだ。*
例えば、初期の総合格闘技では、
これを巻かずに殴りまくった野郎が
拳を壊しまくった位。*
ヒョードルの2度の拳骨折も、
関係者にも知られた
雑なバンテージの巻き方が
原因とされる程だ。*
2mもある紐を巻くので
拳全体がボコッと盛り上がるようになるが
拳のために装着して欲しい。*
また、バンテージをキツく巻くと
パンチが石のように硬くなる。
コレは現ルールでは禁止されているが、
ケンカの際などは活用してくれ。
また、実際に殴る際は
「人差し指か中指で殴る」
というのが鉄則。
小指と薬指は弱く、
簡単に骨折しちまうのだ。*
だから、ケンカで折るとなると
大体この2本で、これらを折った場合は
「ストリートファイト骨折」
と言われる。
ソフトバンク杉内が折ったのも両手の小指で、
まさにヤツがケンカ慣れしてない証拠だ。
また、正しく人差し指か中指で
殴って骨折した際は
「ボクサー骨折」
と呼ばれる。
同じ折るならせめてコレで折ろう。
また、相手がおでこを
突き出してきた時は拳がピンチ。
おでこは顔面の近所にありつつ
非常に堅い所で殴っちまいやすく、
拳を折る危険がある。
それを逆手にとった防御法なのだ。
これははじめの一歩やChibiなどの
ボクサー漫画でも紹介されていて、
実際に総合格闘家エンセン井上や
ボクサー世界チャンプ浜田剛史は
「弱い所・柔らかい所を殴る」
原則の通り、おでこはかわして殴ろう。
また、「掌打」という
掌の底部の硬い部分で
相手を殴る技もある。
これはパンチのように自分が痛む恐れは無い。
が、相手への痛みもあまり無い…。
しかし、衝撃を与えやすいので
脳震盪は狙いやすいとされる。*
拳を再起不能にした格闘家が
仕方なく掌打主体の転向する例もある程なので、
拳が弱った時は使っちゃおう。
俺たちはキレると、
顔面をとにかく全力で殴りたくなる。
が、理性が少しでも残ってれば
↑に書いた事をおさらいしてから殴ろうゼ。
また、演歌の
「こぶし」というのは
「小節」の事で「拳」では無い。
だから、都はるみとか
千昌夫とかにケンカ売られても、
別に大丈夫だ。