野球は危険な競技だ。
危険せしめているのは「硬球」である。
K-1の角田信明は
スネで硬球を蹴り返したと言うが、
そんな超人はあまり居ない。*
何せ140キロで飛んでくれば
最大3トンの衝撃だ。*
おぞましい硬さ&重さを誇るこの球は、
「デッドボール」を中心として
幾多の惨劇を演出してきた。
○ 田淵、左即頭部に死球を受け昏倒。
全治3ヶ月で後半戦を棒に振った末、
左耳が難聴になりキャッチャーフライが上手く捕れなくなる。
(田淵は内角球をよけるのがヘタで
球団側は耳当て付きのヘルメットを発注していたが、
これが届いたのは死球事故の翌日だった。)*
○ 巨人のローズの打球がワンバウンドで
古田の股間を直撃し、睾丸を3倍に腫れ上がらせる。
古田に「40年間で一番痛かった」
と言わしめた。*
○ ヤンキースの捕手ポサダ、
ゲッツーで二塁に滑り込んだ際
二塁手の送球が顔面直撃。
鼻骨骨折。*
○ 石井一久の左前頭部に、
アストロズの打者ハンターの ピッチャー返しが直撃。
頭蓋骨の2箇所亀裂骨折&鼻骨骨折を負う。
「1ミリずれてたら命がなかった」
との宣告もあった。*
など。
その恐ろしさは、あの掛布も
「もし球が柔らかかったら、もっと打率はあがる。
硬い球への恐怖心があるから3割しか打てない。
バッターは怖いなんて口が裂けても言わないが、
実は常に恐怖と戦っている。
ボックスの白線からセンチ単位で立てるのは、
あの大観衆の中、何処か精神的に『飛んでる』部分があるから。
シラフじゃバッターボックスにゃ立てない」
と漏らすばかりだ。*
また、「内角攻めからの外角球」
という打ち取られパターンで極度のスランプに
陥っていた1992年前半時の原辰則は、
長嶋茂雄にこう助言を受けた。
「打席に入ったら、まず意識しなくちゃいけないのは
何よりデッドボールなんだ。
『危険ライン』に投球の軌道が乗ったら即逃げる体勢を作る。
それが第一作業だ。その次にインハイに意識を置く。
これだけですっとまっすぐ立てるはず。
意識を内角に置く方が外角はついて行けるんだ。
逆だ、タツ!」
この助言で原は、
それまで覆われていた
「怖がるな」
の精神論から解き放たれ、
「怖いものは怖い」
と認める事で万端の対策が出来るようになり、
スランプを脱せたという。*
このように、恐怖を前提にプレーしなければいけない程に
恐ろしいスポーツが硬式野球なのだ。
さて、ソフトボールというモノがあるが、
あくまで硬式と比較しての相対的な「ソフト」さしかない。
「打球が飛ばない」
「下手投げで、直球でも100キロ位しか出ない」
などの要素があるので
野球程の怪我人こそ出ないが、
顔面をはじめ各部に骨折者を出すなど
そして、お宅の糞ガキが野球やってたら
注意して欲しい
「心臓震盪」
という事故がある。
これは心臓に衝撃が加えられ
心臓が停止しちまうモノで、
18歳以下のガキの発症率が高く、
発症者の84%を殺す。*
そして、あろうことに
2001年アメリカで128件の発祥例のうち
野球ボール(54件)&ソフトボール(14件)が
当たっての死亡例が半分を占めているのだ。*
日本国内の発症例を見ても、12件のうち
野球ボール(7件)&ソフトボール(1件)が
胸に当たる例が3分の2を占めている。
(ちなみにバット(1件)もある)
大きく柔らかいため胸への衝撃を伝えにくく
心臓震盪を発症しづらいサッカーボールなどと
比べればエラい差だ。
野球ファンよ!
硬球を生み出すこの危険性を
直視し、安全な球技への
脱皮を心がけてくれ。
今のトコ全然普及してない
「胸部プロテクター」
の普及などが早急に待たれる。*
さもないと、6000万円の賠償金が
キミらを待っている…!→*
…ちなみに「デッドボール」は
ドッジボールの旧称であった。→*